この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

Z空調は電気代が高くなるって聞くけど、ルームエアコンと比較してどうなの?

実はあまり変わりません!
この記事でわかること(クリックでジャンプできます)
この記事では、Z空調にかかる電気代と、ルームエアコンにかかる電気代を比較して得られた結論について解説します。
Z空調の電気代を知りたい方、Z空調の導入を検討している方、桧家住宅を検討している方の参考になりますので、ぜひご覧ください。
Z空調とルームエアコンとでは電気代に大差はない
結論から言うと、
「Z空調とルームエアコンとでは、電気代に大差はない」
です。

そうなの!?

もちろん使い方にもよりますが、そうなります!
この結論に至った比較の流れは、以下のとおりです。
- Z空調にかかる電気代を、最新の数値で算出
- ルームエアコンにかかる電気代を、公式データから算出
- それぞれ算出した数値を比較
上記のように計算し比較した結果が、以下の表のとおりです。
Z空調 | ルームエアコン | |
---|---|---|
設置場所 | 各階1台ずつ (延べ床面積30〜40坪) | LDK(14畳) 寝室(6畳) 子供部屋(6畳) |
1日あたり稼働時間 | 24時間 | 18時間 (6時〜24時) |
年間の稼働日数 | 365日 | 夏場:135日 冬場:160日 |
電力単価 | 31.85円/kWh | |
夏場の月平均電気代 | 4,482円 | 5,775円 |
冬場の月平均電気代 | 12,758円 | 11,459円 |
年間合計電気代 | 77,209円 | 87,108円 |
そのため、実際の室温、設定温度、家の気密性や断熱性などの使用環境によって数値は上下する。
以下で、電気代の算出方法について確認したのち、順に解説します。
電気代の算出方法について

エアコンの電気代を算出する場合、以下の3通りの方法があります。
- 実際に請求された電気代から算出
- エアコンの定格消費電力量から算出
- エアコンの期間消費電力量から算出
一番現実的な数値を知りたい場合、実際に請求された電気代から算出する方法が適しています。
Z空調の場合、桧家住宅が実際にZ空調搭載の家庭を調査したデータがありますので、そのデータを活用します。
桧家住宅の調査データはこちら
ただし、今回のルームエアコンのように、実際に請求された電気代のデータがない場合は、カタログに記載されているエアコンの消費電力量から算出します。
エアコンの消費電力量には、「定格消費電力量」と「期間消費電力量」があります。
定格消費電力量から算出する方法
定格消費電力量とは、その電化製品の全ての機能を最大限に使用した際に消費する電力量のことを指します。
定格消費電力量は、日本工業規格JIS C 9612:2013に基づいた温度条件で、連続して機器を使用した場合に、安定してその機器の性能を発揮する際に消費する電力量となります。
例えば、パナソニックエアコン(2023年モデル)LXシリーズ(CS-LX403D2)の定格消費電力量は、以下のとおりです。
冷房 | 暖房 |
---|---|
830W | 950W |
この定格消費電力量に電力料単価(仮に31円/kWh)を乗ずることで、以下のように、1時間あたりの電気代が算出できます。
(冷房)830W÷1,000×31円/kWh=25.73円
(暖房)950W÷1,000×31円/kWh=29.45円
WをkWに変換するため、1,000で除してます。
この計算により、1時間あたりの電気代を算出できましたが、この結果には注意が必要です。
計算に用いた定格消費電力量は、
「その電化製品の全ての機能を最大限に使用した際に消費する電力量のこと」
を指しており、要するに
「かなり強い負荷がかかった状態の消費電力量である」
と言えます。
エアコンは常に強いパワーで運転し続けるわけではなく、室温によってパワーが変わります。
室温がエアコンの設定温度に近づけば、エアコンは自動的に弱いパワーでの運転に切り替えます。
逆に、いつまでも室温が設定温度に達しない場合は、強いパワーでの運転が続きます。
つまり、気密性や断熱性が低い、窓が多くて外気にさらされる場所が多いなど、常に強いパワーでの運転を続ける必要があるような家では、定格消費電力量での電気代の計算が適していますが、作りがしっかりしている家では、弱いパワーでの運転時間が長くなるため、定格消費電力量で計算した電気代より、実際の電気代は低くなる可能性が高いということです。

実際にはそんなにかからないってこと?

そうです。
条件が悪い状態で使い続けた場合の、高い電気代の計算には適してる、ということですね!
期間消費電力量から算出する方法
期間消費電力量とは、一定条件下における1年間の消費電力の合計値のことを指します。
期間消費電力量は、日本工業規格JIS C 9612:2013に基づくAPF(通年エネルギー消費効率)から算出されます。
APF(通年エネルギー消費効率)とは、エアコンの省エネ性能を表す基準で、この値が大きいほど、省エネ性能が高いことを示します。
期間消費電力量になるエアコンの使用条件は、以下のとおりです。

上記のように、実際に使用する条件に近づけた状況で、年間の消費電力量を算出しているので、定格消費電力量より現実的な数値が算出可能です。
例えば、パナソニックエアコン(2023年モデル)LXシリーズ(CS-LX403D2)の期間消費電力量は、1,066kWhとなっています。
内訳は、以下のとおりです。
冷房時期間合計 | 暖房時期間合計 | 期間合計(年間) |
---|---|---|
297kWh | 769kWh | 1,066kWh |
期間消費電力量の使用条件が、冷房135日、暖房160日、1日18時間の使用ですので、それぞれ除した上で、電力料単価(仮に31円/kWh)を乗ずることで、以下のように、1時間あたりの電気代が算出できます。
(冷房)297kWh÷135÷18×31円/kWh=3.79円
(暖房)769kWh÷160÷18×31円/kWh=8.28円

定格消費電力量と比べて、ずいぶん安いね。

そうなんです。
後述しますが、Z空調についても期間消費電力量の数値の方が妥当性がありますよ。
Googleで「エアコン 電気代」と調べると、エアコンの電気代算出方法を紹介しているサイトがいくつもありますが、その多くが定格消費電力量を使用した算出方法です。
定格消費電力量を用いて電気代を算出することで、実際より高額な電気代が算出できてしまいます。
現実的な電気代を知りたい場合は、期間消費電力量を確認するようにしましょう。
Z空調とルームエアコンの電気代比較
電気代の算出方法がわかったので、以下の順番で比較していきます。
クリックでジャンプできます
Z空調にかかる電気代(2024年現在)

Z空調にかかる電気代の計算は、実測値とカタログ値の比較をするため、次の2通りで行います。
- 桧家住宅が行った調査データから、年間の電気代を算出
- カタログ記載の消費電力値から、年間の電気代を算出
まずは、実測値のデータを用いて電気代を算出します。
桧家住宅では、Z空調にかかる電気代について、以下のように公開しています。

上記のデータによると、Z空調の年間電気代は77,209円です。
こちらは、エアコン2台と第1種換気システムを、1年間24時間連続運転した際の電気代となります。

思ったより電気代がかかってないね。

Z空調は電気代を抑えて全館空調を導入できるのがウリですからね。
Z空調のカタログを確認すると、我が家のZ空調と同等製品の期間消費電力量は、以下のとおりです。
期間消費電力量 | 2199kWh |
Z空調は各階1台ずつ、計2台設置されますので、2台分で考えます。
Z空調の期間消費電力量は、2199kWhとなっていますが、冷房と暖房の数値はカタログにはありませんでした。
そのため、年間の電気代のみ算出します。
桧家住宅が公開しているZ空調の電気代は、2024年4月の電力量単価を使用しています。
電力量単価については、条件を揃えるために、以下の方法で算出します。
Z空調の月平均電気代および月平均消費電力量は、以下の通りです。
月平均電気代 | 月平均消費電力量 |
---|---|
6,434円 | 202kw |
電力量単価は、電気代を消費電力量で割ることで求めることができます。
6,434円÷202kw≒31.85円/kWh
求めた電力量単価を用い、Z空調の期間消費電力量を基に算出した1年間の電気代を計算すると、以下のようになります。
2199kWh×31.85円/kWh×2台=140,076円

カタログ値の方がだいぶ高いね。

期間消費電力量を算出する条件が、Z空調にとって不利だからですね!
期間消費電力量を算出する条件の一つに、「1日の稼働時間は6時から24時までの18時間」というものがあります。
言い換えると、「24時から翌6時までは毎回エアコンを切っている」となります。
Z空調は大型のエアコンなので、スタート時の消費電力量もかなり大きくなります。
24時間稼働していればスタート時の電力消費は1回で済みますが、毎日ON・OFFをする条件だと、毎回スタート時に大きな電力消費をしてしまうので、Z空調の期間消費電力量も大きな数値になってしまいます。

そうすると、やっぱり桧家住宅が出しているデータが一番参考になりそうだね。

そうですね。
我が家の電気代と比較しても、桧家住宅の調査データは信憑性がありそうですよ!
我が家の2023年の電気代については、こちらの記事で詳しく解説しています。

ルームエアコンにかかる電気代
続いて、ルームエアコンにかかる電気代を算出します。
我が家にルームエアコンはないので、カタログ値の期間消費電力量を参考に算出していきます。
使用状況は、以下のとおりです。
ルームエアコンの数:3台(LDK1台、寝室1台、子供部屋1台)
各部屋の広さは以下のとおり。
LDK | 寝室 | 子供部屋 |
---|---|---|
14畳 | 6畳 | 6畳 |
今回計算する電力量単価(燃料費調整料含む)は、Z空調の最新の電気代試算で用いられている数値を使います。
Z空調の月平均電気代および月平均消費電力量は、以下のとおりです。
月平均電気代 | 月平均消費電力量 |
---|---|
6,434円 | 202kw |
電力量単価は、電気代を消費電力量で割ることで求めることができます。
6,434円÷202kw≒31.85円/kWh
エアコンの期間消費連力量は、資源エネルギー庁が公表している省エネ性能カタログ電子版に記載されている、2023年9月時点でのエアコンの平均値を用います。
平均的な冷房の電気代は、以下のとおりです。
LDK | 寝室 | 子供部屋 | 計算方法 | |
---|---|---|---|---|
広さ | 14畳 | 6畳 | ー | |
期間消費電力量 | 406kWh | 205kWh | ー | |
1時間あたりの電気代 | 5.3円 | 2.7円 | 期間消費電力量を135日で除する。 その値を18時間で除する。 その値に31.85円/kWhを乗じた。 | |
1日あたりの電気代 | 95.8円 | 48.4円 | 1時間あたりの電気代に18時間を乗じた。 | |
1ヶ月あたりの電気代 | 2,873円 | 1,451円 | 1日あたりの電気代に30日を乗じた。 | |
年間の電気代 | 12,931円 | 6,529円 | 期間消費電力量に31.85円/kWhを乗じた。 |
結果、冷房時に使用する3台のルームエアコンにかかる1ヶ月の平均電気代は、
2,873円+1,451円+1,451円=5,775円
冷房時に使用する3台のルームエアコンにかかる1年間の電気代は、
12,931円+6,529円+6,529円=25,989円
となります。
平均的な暖房の電気代は、以下のとおりです。
LDK | 寝室 | 子供部屋 | 計算方法 | |
---|---|---|---|---|
広さ | 14畳 | 6畳 | ー | |
期間消費電力量 | 961kWh | 479kWh | ー | |
1時間あたりの電気代 | 10.6円 | 5.3円 | 期間消費電力量を160日で除する。 その値を18時間で除する。 その値に31.85円/kWhを乗じた。 | |
1日あたりの電気代 | 191.3円 | 95.3円 | 1時間あたりの電気代に18時間を乗じた。 | |
1ヶ月あたりの電気代 | 5,739円 | 2,860円 | 1日あたりの電気代に30日を乗じた。 | |
年間の電気代 | 30,607円 | 15,256円 | 期間消費電力量に31.85円/kWhを乗じた。 |
結果、暖房時に使用する3台のルームエアコンにかかる1ヶ月の平均電気代は、
5,739円+2,860円+2,860円=11,459円
暖房時に使用する3台のルームエアコンにかかる1年間の電気代は、
29,618円+14,762円+14,762円=61,119円
となります。
まとめると、期間消費電力量で算出した平均的なルームエアコン(3台)の電気代の合計は、以下のようになります。
夏場の平均 | 冬場の平均 | |
---|---|---|
1時間あたりの電気代 | 10.7円 | 21.2円 |
1日あたりの電気代 | 192.6円 | 381.9円 |
1ヶ月あたりの電気代 | 5,775円 | 11,459円 |
年間の電気代 | 25,989円 | 61,119円 |
平均的なルームエアコン(3台)の1年間の合計電気代は、
25,989円+61,119円=87,108円
となりました。

意外と高い!
でもこれって、毎日18時間も使ってるからでしょ?
使用時間短くすれば比例して安くなるんじゃ?

確かに使用時間を短くすれば安くはなりますが、
計算には注意が必要です。
Z空調とルームエアコンの電気代比較
ここまで算出した、Z空調とルームエアコンの電気代を比較すると、以下のようになります。
Z空調 | ルームエアコン | |
---|---|---|
設置場所 | 各階1台ずつ (延べ床面積30〜40坪) | LDK(14畳) 寝室(6畳) 子供部屋(6畳) |
1日あたり稼働時間 | 24時間 | 18時間 (6時〜24時) |
年間の稼働日数 | 365日 | 夏場:135日 冬場:160日 |
電力単価 | 31.85円/kWh | |
夏場の月平均電気代 | 4,482円 | 5,775円 |
冬場の月平均電気代 | 12,758円 | 11,459円 |
年間合計電気代 | 77,209円 | 87,108円 |
そのため、実際の室温、設定温度、家の気密性や断熱性などの使用環境によって数値は上下する。

ルームエアコンの方が高い!!

ルームエアコンは毎日18時間も使わないと思うので、もう少し安くなると思います。

それを考えると、Z空調とルームエアコンの電気代は大して変わらない、ってことになるのか!

そのとおりです!
まとめ:自分たちのライフスタイルに合ったエアコン選びを!
Z空調とルームエアコンの電気代を比較しました。
電気代を算出する方法は、以下の3つです。
- 実際に請求された電気代から算出
- エアコンの定格消費電力量から算出
- エアコンの期間消費電力量から算出
一番確実なのは、実際に請求された電気代から算出する方法ですが、それがない場合は、エアコンの期間消費電力量から算出する方法が、実際に近くなります。
エアコンは常に強いパワーで運転し続けるわけではなく、室温によってパワーが変わるため、定格消費電力量で電気代を算出すると、実際より高額な額が算出されますので、注意が必要です。
Z空調は桧家住宅が調査した実測データで、ルームエアコンは資源エネルギー庁が公表している省エネ性能カタログの平均値で、それぞれ電気代を算出し比較した結果、以下のとおりになりました。
Z空調 | ルームエアコン | |
---|---|---|
設置場所 | 各階1台ずつ (延べ床面積30〜40坪) | LDK(14畳) 寝室(6畳) 子供部屋(6畳) |
1日あたり稼働時間 | 24時間 | 18時間 (6時〜24時) |
年間の稼働日数 | 365日 | 夏場:135日 冬場:160日 |
電力単価 | 31.85円/kWh | |
夏場の月平均電気代 | 4,482円 | 5,775円 |
冬場の月平均電気代 | 12,758円 | 11,459円 |
年間合計電気代 | 77,209円 | 87,108円 |
そのため、実際の室温、設定温度、家の気密性や断熱性などの使用環境によって数値は上下する。
ルームエアコンは18時間も使用しないことが多いと思いますが、時間数と電気代を比例して減らすことには注意が必要です。
エアコンは、運転直後から停止まで常に一定の電力を消費しているわけではなく、室温と設定温度との温度差が大きい運転直後に多くの電力を消費し、その後は比較的少ない電力で運転するため、運転時間を半分にしても、電気代は半分にはなりません。
そのため、ルームエアコンの使用時間を18時間以下にした場合でも、Z空調との電気代との差はあまりない、との結論になりました。

じゃあ家中快適なZ空調の方が良くない?

電気代だけで比較するのは安易ですよ!
Z空調は家中の温度を一定に保ち、快適な室内空間を実現してくれますが、デメリットも当然存在します。
Z空調のメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

Z空調とルームエアコン、それぞれのメリット・デメリットを比較した上で、自分たちのライフスタイルに合った方を選択することが大事です。
この記事が、エアコン選びの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。