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住宅ローンを利用して注文住宅を建てるつもりなんだけど、現金って必要?
5%〜10%程度の現金が必要です!
この記事でわかること(クリックでジャンプできます)
この記事では、新築注文住宅を建てた我が家が、家づくりに必要な費用のうち、現金で支払った費用について解説します。
注文住宅を検討している方、注文住宅の予算が知りたい方、現金がいくら必要なのかを調べている方の参考になりますので、ぜひご覧ください。
新築注文住宅でかかる費用
新築注文住宅を建てる時、大きく次の4つの費用がかかります。
建物建築費用
建物建築費用とは、家を建てるための費用となります。
家を建てるための材料費、工事費用などが主です。
大手ハウスメーカーなどのチラシを見ると、この建物建築費用を値段として表示していることが多いです。
建物建築費用は、多くの方が住宅ローンを組んで支払いをしています。
土地購入費用
土地を持っていない場合、土地を購入するための費用がかかります。
土地本体の費用、土地の造成費用などが含まれます。
土地購入についても、多くの方は住宅ローンを組んで支払いをしています。
外構費用
外構費用は、庭、駐車場、玄関ポーチなど、家の外回りの工事にかかる費用です。
ハウスメーカーや工務店が一括で工事を請け負うことは稀で、多くの場合、外構専門業者に別途工事を依頼することになります。
外構費用についても、住宅ローンを組んで支払いをすることが多いですが、施主がDIY好きの場合、自分で外構工事をしてしまうこともあり、その場合は施主が自分でDIY費用を支払います。
諸費用
諸費用は、上記以外にかかる様々な費用を言います。
ハウスメーカーとの契約の手付金、土地購入でかかる不動産取得税、住宅ローンを組むために必要な手数料など、多岐にわたります。
この諸費用が、現金で支払うことの多い費用となり、今回の記事でメインに扱う費用です。
新築注文住宅を建てる際に現金で準備する必要のある費用
注文住宅でかかる費用は、必ず現金で支払う必要のある費用と、場合によっては現金で支払う必要のある費用に分かれます。
「場合によって現金で支払う」とは
住宅ローンを契約する金融機関によっては、住宅ローンに含めることが可能な場合があり、その場合は現金で用意する必要がない
ということです。
ここでは、住宅ローンに含めることが可能な場合もあることも含め、現金で準備する必要のある費用を解説します。
現金で準備する必要のある費用は、以下の通りです。
項目 (クリックでジャンプできます) | 金額 | 現金支払い |
---|---|---|
手付金(契約金) | ・土地:購入代金の5%〜10%程度 ・建物:契約代金の5%〜10%程度 | 必ず |
収入印紙代 | ・土地契約時:1万円〜6万円 ・建物契約時:1万円〜6万円 ・建物追加工事契約時:1万円〜6万円 ・住宅ローンの契約時:1万円〜6万円 | 必ず |
仲介手数料(土地) | ・土地価格×3%+6万円+消費税10%(上限) | ほぼ必ず |
住宅ローン契約費用 | ・ローン事務手数料:3万円〜借入額の2.2%程度 ・保証料:借入額による ・保証会社利用手数料:3万円程度 ・振込手数料:全部で5千円程度 | 場合によって |
登記費用 | ・所有権移転登記:課税標準額×2.0% ・建物所有権保存登記:課税標準額×0.4% ・抵当権設定登記:1,500円 ・建物抵当権設定登記:融資金額×0.4% ・その他登記 ・行政書士や土地家屋調査士への報酬等 | 場合によって |
税金 | ・不動産取得税 ・その年の固定資産税 ・その年の都市計画税 | 必ず |
火災保険・地震保険料 | 5年契約で40万円〜50万円程度 | 場合によって |
引越し費用 | 10万円〜20万円程度 | 必ず |
家具の購入・処分費用 | 0円〜100万円程度 | 必ず |
カーテン費用 | 30万円〜100万円程度 | 場合によって |
工事の儀式等にかかる費用 | ・地鎮祭:5万円程度 ・上棟式:10万円程度 ・竣工式:10万円程度 ・差し入れ代 | 必ず |
手付金(契約金)
土地の購入時やハウスメーカーを決定する際に、以下の契約を結びます。
- 土地購入:不動産売買契約
- ハウスメーカーとの契約:建築工事請負契約
契約時は、手付金という形で、一定額の先払い金を要求されます。
手付金には、法律的に次の3つの意味があります。
- 解約手付:契約を解除する際に支払う
- 違約手付:契約違反や契約不履行があった際、違約金として支払う
- 証約手付:契約が成立したことを証明するために、買主が売主に支払う
つまり、契約をする場合、その契約が成立したことを証明するために、必ず手付金を支払う必要がある、ということです。
手付金の金額は、一般的に売買価格・工事価格の5%〜10%と言われていますが、売主やハウスメーカーによって大きく異なります。
検討段階で土地の売主(もしくは仲介業者)やハウスメーカーに、手付金がいくらくらいなのか確認することをオススメします。
手付金については、こちらから確認しないと契約直前までわからないので、注意が必要です!
なお、手付金で支払ったお金は、購入費用や工事費用の一部として支払われますので、手付金の分が土地価格や工事価格に上乗せされているわけではありません。
また、金融機関によっては、手付金を含めた土地価格分や工事価格分の融資をしてくれるところもありますので、金融機関に確認することをオススメします。
収入印紙代
収入印紙代とは、印紙税法によって定められた課税文書に対して課される税金である「印紙税」を支払うための代金です。
印紙税が課される課税文書は20種類あり、不動産売買契約書や建築工事請負契約書、住宅ローンを組む時の金銭消費貸借契約書が含まれます。
印紙税額は、契約額によって以下のようになります。
契約書に記載された金額 | 印紙税額 (印紙代) | ※軽減措置 |
---|---|---|
100万円を超え 200万円以下 | 400円 | 200円 |
200万円を超え 300万円以下 | 1,000円 | 500円 |
300万円を超え 500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え 1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円を超え 5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円を超え 1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円を超え 5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円を超え 10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億円を超え 50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円を超えるもの | 60万円 | 48万円 |
※軽減措置は、令和8年3月31日までの間に作成されるものが対象になります。
注文住宅を建てる場合、少なくとも以下の3回分の印紙代を、契約時に支払うことになります。
- 土地の売買契約時
- 建物の建築請負契約時
- 住宅ローンの金銭消費貸借契約時
このうち、土地の売買契約と建物の建築請負契約については、令和8年3月31年までに契約すれば、軽減措置を受けることができます。
我が家は軽減措置を受け、どちらも1万円の印紙代を支払いました。
仲介手数料(土地)
注文住宅を建てる場合、多くの方が土地探しから行います。
土地を購入する場合、購入方法は次の2パターンです
- 仲介業者を通して購入する
- 土地の所有者から直接購入する
上記のうち、仲介業者を通して土地を購入する場合、仲介手数料がかかります。
仲介手数料は、法律により上限額が決められており、上限を超えて仲介手数料を請求することはできません。
仲介手数料の上限額は、以下の計算で求めることができます。
土地価格 | 仲介手数料上限額 |
---|---|
200万円以下 | (土地価格×5%+6万円) +消費税10% |
200万円を超え 400万円以下 | (土地価格×4%+6万円) +消費税10% |
400万円以上 | (土地価格×3%+6万円) +消費税10% |
この数式を土地価格に当てはめると、以下のようになります。
土地価格 | 仲介手数料上限額 |
---|---|
100万円 | 12万1,000円 |
300万円 | 19万8,000円 |
500万円 | 23万1,000円 |
1,000万円 | 39万6,000円 |
2,000万円 | 72万6,000円 |
3,000万円 | 105万6,000円 |
4,000万円 | 138万6,000円 |
5,000万円 | 171万6,000円 |
6,000万円 | 204万6,000円 |
上記のような仲介手数料は、土地の所有者から直接土地を購入する場合はかかりません。
仲介手数料もバカになりませんので、できることなら支払いたくありませんよね。
不動産業者やハウスメーカーが所有・販売している土地を購入できる場合、仲介手数料がかからないので、そういった土地がないか確認してみることをオススメします。
また、ハウスメーカーに土地探しを手伝ってもらうと、色々とメリットも多いので、やはりオススメです。
我が家も桧家住宅の担当者に土地を探してもらいました!
ただ、桧家が所有する土地ではなかったので、仲介手数料は払いましたが…
土地探しをハウスメーカーにしてもらうメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【土地探しのコツ】ハウスメーカーに土地探しを依頼するメリットと注意点を解説住宅ローン契約費用
注文住宅を建てる場合、多くの方が住宅ローンを組みます。
住宅ローンを組む場合、金融機関と住宅ローンの契約を結びます。
これを「金銭消費貸借契約(略して金消と呼ぶことが多いようです)」と言います。
金融機関と金銭消費賃借契約を結ぶ場合、最大で次の4つの手数料がかかります。
- ローン事務手数料
- 保証料
- 保証事務手数料
- 振込手数料
ローン事務手数料は、住宅ローンを組む際、金融機関に支払う報酬のようなものです。
事務手数料の金額は金融機関によって異なりますが、定額型と定率型に分かれます。
- 定額型:ローンの金額に関わらず一律料金
- 定率型:ローンの金額に一定利率を乗じた料金
定額型
例えば、楽天銀行の事務手数料は、以下のような定額型となっています。
ローン事務手数料:33万円(税込)
定率型
一方、三菱UFJ銀行などのメガバンク、auじぶん銀行などのネット銀行の事務手数料は、以下のような定率型となっています。
ローン事務手数料:借入額×2.20%(税込)
定率型では、住宅ローンの金額によって以下のように支払う金額が変化します。
住宅ローンの金額 | 定率制の事務手数料 (2.20%の場合) |
---|---|
1,000万円 | 22万円 |
2,000万円 | 44万円 |
3,000万円 | 66万円 |
4,000万円 | 88万円 |
5,000万円 | 110万円 |
6,000万円 | 132万円 |
7,000万円 | 154万円 |
8,000万円 | 176万円 |
9,000万円 | 198万円 |
1億円 | 220万円 |
仲介手数料と一緒で、バカにならないですね…
保証料は、融資を受けた人がローンを返済できなくなった時に、返済を代替する保証会社との契約に必要な費用です。
保証料の金額は金融機関によって様々です。
イオン銀行やSBI新生銀行は、そもそも保証会社を利用しないため、保証料の支払いがありません。
同じく住信SBIネット銀行やauじぶん銀行では、保証料は銀行負担となり、保証料の支払いはありません。
りそな銀行やみずほ銀行などでは、「事務手数料型」と「保証料型」を選ぶことができ、事務手数料と保証料のどちらかだけ支払いが発生します。
その他地銀などでは、定額の事務手数料と保証料の両方の支払いが発生することがあります。
我が家は地銀を利用したので、両方支払いました…。
保証料の支払い方法は、次の2パターンです。
- 一括前払い型:金融機関が設定した利率を乗じた額を一括で支払うタイプ
- 金利上乗せ型:住宅ローンの金利に上乗せし、毎月支払うタイプ
一括前払い型
一括前払い型の場合、金融機関が設定した額を、住宅ローンの契約時に一括で支払います。
例えば、りそな銀行では保証料の一括前払いの金額は、以下のように設定されています。
借入期間 | 借入金額100万円 あたりの保証料 |
---|---|
1年 | 1,016円 |
2年 | 1,942円 |
3年 | 2,844円 |
… | … |
35年 | 20,614円 |
全部見たい方は上記リンクから確認できます。
りそな銀行で、5,000万円の住宅ローンを借入期間35年で組む場合、保証料を一括前払いすると、以下の保証料となります。
20,614円×50=103万700円
5,000万円借り入れた場合の事務手数料(2.20%)が110万円なので、ほとんど変わらない金額ですね。
金利上乗せ型
金利上乗せ型の場合、住宅ローンを組む金利に保証料の金利を上乗せし、月々の返済時に保証料分も支払います。
りそな銀行やみずほ銀行で保証料の金利上乗せ型を選択する場合、0.2%の金利が上乗せされます。
りそな銀行で、5,000万円の住宅ローンを借入期間35年、変動金利0.34%(2023年11月時点)で組む場合、保証料を金利上乗せ型にすると金利が0.54%となり、総返済額は以下のようになります。
金利0.34% | 金利0.54% (保証料上乗せ型) | 保証料 | |
---|---|---|---|
月々の返済額 | 126,288円 | 130,678円 | 4,390円 |
総返済額 | 53,040,960円 | 54,884,760円 | 1,843,800円 |
金利を0.2%上乗せする場合、保証料として支払う金額は、35年で1,843,800円にもなります。
金利上乗せ型の場合、初期費用を抑えることができる反面、総支払額は大きくなる傾向がありますので、しっかりとシミュレーションすることが大切です。
我が家は金利上乗せで総支払額が増えるのが嫌だったので、一括前払いを選択しました!
金融機関が保証会社を利用する場合、保証事務手数料を請求されることがあります。
りそな銀行とみずほ銀行では、以下の保証事務手数料が、保証料とは別にかかります。
金融機関 | 保証事務手数料(税込) |
---|---|
りそな銀行 | 55,000円 |
みずほ銀行 | 33,000円 |
ネット銀行では保証事務手数料を請求するところは少ない傾向ですが、地銀等では保証事務手数料を請求されることが多いです。
住宅ローンを組む場合、金融機関に住宅ローン用の専用口座を開設し、そこに借り入れたお金が振り込まれます。
振り込まれたお金は土地の購入資金や住宅の建築資金として支払われます。
支払いは相手先の銀行への振り込みとなりますので、振込手数料が発生します。
auじぶん銀行などのネット銀行では、振込手数料が無料のところが多いです。
一方、メガバンクや地銀では振込手数料がかかることが一般的です。
振込手数料は1件あたり300円〜800円程度ですが、借り入れ口座から費用を振り込むタイミングは以下のように複数回あるので、決して小さな額ではなくなります。
- 土地購入時
- 土地の登記にかかる費用の支払い時(所有権移転登記)
- 建物の支払い1回目(着工時)
- 建物の支払い2回目(上棟時)
- 建物の支払い3回目(完成時)
- 建物の支払い追加時(追加工事発生時)
- 建物の登記にかかる費用の支払い時(表題登記)
- 建物の登記にかかる費用の支払い時(所有権保存登記)
- 外構工事支払い時(外構工事も住宅ローンに含められる場合)
我が家は地銀だったので、5,000円くらい支払いました…
節約を意識しているからこそ、振込手数料の数千円が許せませんね…
登記費用
注文住宅を建てる場合、登記費用が必ずかかります。
登記については、法務省で以下のように記されています。
不動産登記は,わたしたちの大切な財産である土地や建物の所在・面積のほか,所有者の住所・氏名などを公の帳簿(登記簿)に記載し,これを一般公開することにより,権利関係などの状況が誰にでもわかるようにし,取引の安全と円滑をはかる役割をはたしています。
法務省:不動産登記のABC
不動産登記を行うことで、自分たちの土地や建物の所有権を明確にし、権利を主張できるようになります。
注文住宅の場合、最低でも以下の登記が必要です。
- 所有権移転登記:土地を購入した時
- 建物表題登記:建物を新築した時
- 建物所有権保存登記:建物を新築した時
- 住所・氏名の変更登記:新築した家に住民票を移した時
このほか、購入した土地の状態や、住宅ローンを組む場合で、以下の登記も必要になります。
- 建物滅失登記:古家を取り壊した時
- 地目変更登記:農地などの地目を宅地に変更した時
- 抵当権設定登記:住宅ローンを利用する時
- 抵当権追加設定登記:土地の抵当権を建物にも及ぶよう追加する時
以上のように、注文住宅にはさまざまな登記が必要になります。
登記にかかる費用は、大きく次の2つです。
- 登録免許税
- 行政書士や土地家屋調査士への報酬
登録免許税は、登記をする時に支払う税金です。
登記によってかかる税金の額が違い、税金自体かからない登記もあります。
行政書士や土地家屋調査士への報酬は、登記を代行してもらう際に支払う費用です。
登記は、特別な資格を持っていなくても行うことができますが、内容が複雑な上、一部の登記は専門家に行ってもらう必要があります。
そのため、登記を行政書士や土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。
特に、住宅ローンを組む時に必要な抵当権設定登記は、必ず行政書士に登記を依頼することになります。
登記にかかる費用をまとめると、以下のようになります。
登記の種類 | 登録免許税 | 報酬平均額 | 報酬支払い先 |
---|---|---|---|
所有権移転登記 | 課税標準額×2.0%(※) | 49,723円 | 司法書士 |
建物表題登記 | ー | 83,659円 | 土地家屋 調査士 |
建物所有権保存登記 | 課税標準額×0.4%(※) | 25,044円 | 司法書士 |
建物滅失登記 | ー | 47,022円 | 土地家屋 調査士 |
地目変更登記 | ー | 45,364円 | 土地家屋 調査士 |
抵当権設定登記 | 融資金額×0.4%(※) | 38,858円 | 司法書士 |
抵当権追加設定登記 | 不動産1個につき1,500円 | データなし | 司法書士 |
抵当権抹消登記 | 不動産1個につき1,000円 | 15,495円 | 司法書士 |
住所・氏名の変更登記 | 不動産1個につき1,000円 | 11,955円 | 司法書士 |
上記の表のうち、以下のような軽減措置があり、税率が軽減される登記もあります。
登記の種類 | 軽減措置内容 | 軽減税率 |
---|---|---|
所有権移転登記 | 令和8年3月31日までの間に登記を受ける場合 | 1.5% |
建物所有権保存登記 | ①令和6年3月31日までの間に登記を受ける場合 ②令和6年3月31日までの間に認定長期優良住宅で登記を受ける場合 ③令和6年3月31日までの間に認定低炭素住宅で登記を受ける場合 | ①0.15% ②0.1% ③0.1% |
抵当権設定登記 | 令和6年3月31日までの間に登記を受ける場合 | 0.1% |
注文住宅でかかる登記費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
新築注文住宅の登記費用の内訳と登記費用を抑える方法を解説税金
注文住宅を建てる場合、次の5つの税金がかかります。
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 印紙税
- 登録免許税
印紙税や登録免許税は、前項までで説明したとおりです。
ここでは、不動産取得税、固定資産税、都市計画税について解説します。
不動産を新たに購入したり、新築住宅を建てた場合に発生する税金です。
土地を取得した時と、家屋を取得(建築)した時に、それぞれ支払います。
土地や建物を取得してから、おおよそ数ヶ月後に自治体から納付書が届きますので、そのタイミングで支払うことになります。
不動産取得税の計算方法は、土地と家屋で異なり、以下のようになります。
不動産取得税の計算方法 | |
---|---|
土地 | 課税標準額×1/2×3%−軽減措置額 |
家屋 | (課税標準額−軽減措置額)×3%(住宅でない家屋は4%) |
課税標準額は、固定資産税評価額と同じ金額で、公示価格の70%程度となります。
新築住宅を建てる土地が宅地の場合、宅地の特例措置として、課税標準額×1/2とすることができます。
宅地の特例措置は、令和9年3月31日までに当該土地を取得した場合に適応されます。
また、不動産取得税自体も、税率の特例措置として、税率が4%から3%に軽減されています。
税率の特例措置は、令和9年3月31日までに当該不動産を取得した場合に適応されます。
その他、以下のように、要件に当てはまる土地や家屋についての軽減措置があります。
軽減措置(控除額) | 軽減要件 | |
---|---|---|
土地 | 以下のいずれか高い方 ・45,000円 ・土地1㎡あたりの額×住宅の床面積の2倍(200㎡が上限)×3% | 土地を取得して3年以内に新築している場合 ※ただし、新築した住宅は床面積50㎡〜240㎡ |
家屋 | ・1,200万円 (長期優良住宅は1,300万円) | 床面積が50㎡以上、240㎡以下 |
上記の軽減措置等を考慮した不動産取得税の計算例を、以下で示します。
- 土地:100㎡(宅地)、課税標準額3,000万円
- 家屋:床面積70㎡(新築)、課税標準額1,500万円
土地の不動産取得税:(3,000万円×1/2×3%)−(30万円×180×3%)=0円
家屋の不動産取得税:(1,500万円−1,200万円)×3%=9万円
合計:9万円
不動産取得税が0円ってこともあるの?
あります。
我が家は土地、家屋とも軽減措置のおかげで不動産取得税が0円になりました。
東京都の場合、宅地として購入できる土地は限られているため、軽減措置によって、土地の不動産取得税が0円になることも珍しくないようです。
上記の軽減措置を受けるためには、ご自身で軽減措置についての手続きを行う必要があります。
東京都の場合、東京都主税局が発行している軽減措置についてのリーフレットが参考になりますので、興味のある方はご覧ください。
→東京都主税局が出している不動産取得税軽減措置のリーフレットはこちら
ここでは、新築住宅の不動産取得税について解説しましたが、建売住宅や中古住宅を取得する際も不動産取得税がかかります。
固定資産税は、その年の1月1日時点で、土地や建物を所有している人にかかる税金です。
4月〜6月の間に自治体から納付書が送られてくるので、その段階で支払います。
じゃあ、固定資産税がかかるのは、新築を建てた翌年からってこと?
家屋の固定資産税は翌年からの支払いです。
ただ、土地については、引き渡し日以降の固定資産税を支払う必要があります。
新築を建てるために土地を購入する場合、土地の売主に引き渡し日以降の固定資産税を清算する必要があります。
固定資産税は年額で計算され、一括納付か分割納付ができます。
土地の売主がその年の固定資産税を一括納付している場合、引き渡し日以降分の固定資産税として支払った額は、買主から回収しようするためです。
その土地にかかる固定資産税の負担の分担については、土地の不動産売買契約書の中に記載があることが一般的ですので、契約時にしっかり確認しましょう。
我が家も8月に土地の引き渡しがあったので、約4ヶ月分の土地の固定資産税を売主の業者に清算しました。
6月15日に土地の引き渡しがあったと仮定する場合、以下の固定資産税を支払います。
- 土地の固定資産税:7万円
- 引き渡し日:6月15日
その年の固定資産税の清算額:7万円÷365日×200日(6月15日以降の日数)=38,356円
合計:38,356円
固定資産税はどうやって計算するの?
固定資産税の計算方法は、以下のとおりです。
固定資産税の計算方法 | |
---|---|
土地 | 課税標準額×1/6(小規模住宅用地)×1.4% |
家屋 | 課税標準額×1.4%×1/2(新築住宅減額) |
課税標準額は、固定資産税評価額と同じ金額で、公示価格の70%程度となります。
住宅を建てる土地が住宅用地の場合、以下のような特例措置が設けられています。
区分 | 範囲 | 固定資産税の特例措置 |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分 | 課税標準額×1/6 |
一般住宅用地 | 住宅用地の200㎡を超える部分 | 課税標準額×1/3 |
また、家屋が新築住宅の場合、以下のような減額措置が受けられます。
減額 | 減額要件 | 期間 |
---|---|---|
固定資産税額×1/2 (居住部分で1戸あたり120㎡相当分までを限度) | ・新築 ・床面積が50㎡〜280㎡以下 | 3年度分 (3階建以上の耐火・準耐火建築物は5年度分) ※長期優良住宅は5年度分 (3階建以上の耐火・準耐火建築物は7年度分) |
新築の減額は、令和8年3月31日までに新築住宅を取得した場合に適応されます。
上記の特例・減額措置等を考慮した固定資産税の計算例を、以下で示します。
- 土地:100㎡(宅地)、課税標準額3,000万円
- 家屋:床面積70㎡(新築)、課税標準額1,500万円
土地の固定資産税:3,000万円×1/6×1.4%=7万円
家屋の固定資産税(3年度まで):(1,500万円×1.4%)×1/2=10万5千円
合計(3年度まで):17万5,000円
家屋の固定資産税(4年度以降):1,500万円×1.4%=21万円
合計(4年度以降):28万円
新築を建てるために土地を先に購入する場合、上記の固定資産税のうち、引き渡し日以降の固定資産税を売主に清算することになりますので、その分の現金を準備する必要があります。
都市整備などにあてられる税金で、固定資産税と同様にその年の1月1日時点で、土地や建物を所有している人にかかります。
都市計画税は固定資産税とセットで納付しますが、以下のように、固定資産税とは計算式が異なります。
都市計画税の計算方法 | |
---|---|
土地 | 課税標準額×1/3(小規模住宅用地)×0.3%(※上限) |
家屋 | 課税標準額×0.3% |
課税標準額は、固定資産税評価額と同じ金額で、公示価格の70%程度となります。
住宅を建てる土地が住宅用地の場合、以下のような特例措置が設けられています。
区分 | 範囲 | 都市計画税の特例措置 |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 住宅用地で住宅1戸につき200㎡までの部分 | 課税標準額×1/3 |
一般住宅用地 | 住宅用地の200㎡を超える部分 | 課税標準額×2/3 |
上記の特例措置等を考慮した都市計画税の計算例を、以下で示します。
- 土地:100㎡(宅地)、課税標準額3,000万円
- 家屋:床面積70㎡(新築)、課税標準額1,500万円
土地の都市計画税:3,000万円×1/3×0.3%=3万円
家屋の都市計画税:1,500万円×0.3%=4万5,000円
合計:7万5,000円
都市計画税は、固定資産税と共に請求される税金ですので、土地を先に購入した場合、都市計画税も固定資産税と一緒に清算する必要があります。
- 土地の都市計画税:3万円
- 引き渡し日:6月15日
その年の都市計画税の清算額:3万円÷365日×200日(6月15日以降の日数)=16,438円
合計:16,438円
火災保険・地震保険料
火災保険や地震保険は、家屋が災害等で被災した際に補償してくれる保険です。
住宅ローンは、多くの場合、建物を担保とした融資となります。
火災等によって担保となる建物が消失してしまうと、融資したお金の回収が難しくなってしまいます。
そのため、多くの金融機関では、住宅ローンを組む際に火災保険の加入を必須としています。
地震保険の加入は任意ですが、地震保険単体で加入することはできません。
火災保険の開始日は、建物の引き渡し日になるため、契約は引き渡し前となります。
火災保険の料金は、補償内容や建物の大きさなどによって異なりますし、保険販売会社によっても異なります。
参考程度ですが、我が家は火災保険・地震保険に加入しており、10年間の契約で保険料は472,740円でした。
火災保険は1年契約か、5年契約となることが多く、保険料の支払いは次のパターンが用意されていることがほとんどです。
- 一括払い
- 年払い
- 月払い
上記のうち、支払う保険料の総額は、一括払いが一番安く、月払いが一番高くなります。
十分な資金が用意できるのであれば一括払い、毎月に分散させたい場合は月払いが有力な選択肢となります。
我が家は資金が準備できたので、一括払いしました。
引っ越し費用
新築住宅を建てた人は、必ず引っ越しを行います。
引っ越しは建物の引き渡しの後となり、支払いも引っ越し業者に直接支払うことになりますので、現金で用意する必要があります。
引っ越し費用は、主に以下の要因で増減します。
- 引っ越す時期
- 荷物量
- 移動距離
- その他オプション
引っ越しの時期には繁忙期と閑散期があり、繁忙期は値上がりし、閑散期は値下がりします。
荷物量が多ければ、大型のトラックを使うことになる上、作業員の数も増えるので値段が上がり、荷物量が少なければ小型のトラックで、作業員の人数も少なく済むので値段は安くなります。
引っ越す家までの距離が遠ければ、ガソリン代等の費用がかかるため値段が高くなり、距離が近ければ値段が安く済みます。
引っ越し業者は、オプションとしてエアコンや家具の取り付け、不用品の引き取りなどのサービスを設定していることが多いですが、それらを利用すると追加料金がかかります。
我が家の場合、1月の閑散期で、都内から都内への近距離移動でしたので、引っ越し料金は87,480円と、かなり安く済みました。
オプションもほぼ利用しませんでしたが、洗濯機関係のオプション(ホースの交換等)と冷蔵庫下に敷くシートは、引っ越し当日にオススメされて購入しました。
引っ越し費用が抑えられたのはとても良かったです!
引っ越しは、特に時期によって大きく値段が変化しますので、閑散期を狙えるようなスケジュールを組めると良いです。
家具の購入・処分費用
今ある家具をそのまま使えばよくない?
皆さん初めはそう考えるんです。
では、新築のオシャレな家に、今まで使っていた古い家具を置くことを想像してみてください。
…合わないね。
オシャレな家具が欲しくなるでしょ?笑
新築住宅での新しい生活を始めるにあたり、大半の方は新たな家具の購入と、既存の家具の処分を行うことになります。
今ある家具は、今の家の広さや雰囲気に合わせた家具ですので、新しい家の広さや雰囲気に合わないことが多いです。
そもそも注文住宅という大きな買い物をしてますので、
「この機会に家具も新しいものを揃えよう!」
となりがちです。
我が家も、新生活に合わせて、以下のように多くの家具・家電を購入しました。
- トースター
- 電子レンジ
- 電子ケトル
- テレビ
- テレビ台
- ベッド
- 掃除機
- ソファー
我が家が家を建てた当時は、「グリーン住宅ポイント制度」という補助事業があり、家具家電の購入や自宅の建築費用の足しにできるポイントが、40万ポイント(40万円分)ももらえました。
このポイントを使い、古くなったり、使いづらかったりした家具・家電を買い替えました。
グリーン住宅ポイントを含め、家具の購入費用は556,506円でした。
ポイントがもらえたので大盤振る舞いしましたが、ポイントがもらえなくても結局新しい家具は買ったと思います。
新しい家具を購入すると同時に、今まで使っていた家具の処分が必要になります。
また、注文住宅の場合、収納棚を備え付けていることも多く、今まで使っていた収納棚が要らなくなるケースも多いです。
小さな家具であれば解体して可燃ごみに出すことも可能かもしれませんが、中型〜大型の家具になってくると、粗大ゴミとして処分費用が発生します。
我が家も以下のように、多くの家具家電を処分しました。
- テレビ
- テレビ台
- ソファー
- 食器棚×2
- ベッド
- 掃除機
- 小物入れ棚
- 衣装ケース
- カラーボックス×2
- エアコン・室外機
- トースター
上記のうち、半分くらいはフリマアプリで売却することができました。
もちろん当時の購入価格からすればかなりの安値での売却となりますが、本来処分費用を払って処分する必要があるものを、お小遣いをもらって処分できるので、フリマアプリの活用は大変オススメです。
10年以上前に買った液晶テレビが1万円で売れた時は感動しました!
フリマアプリで売れそうにないものや、そもそも出品が面倒くさいものなどは、自治体の粗大ゴミとして回収処分してもらいました。
エアコンは、家電量販店等での回収となる家電だったので、テレビ購入の際に業者に引き取ってもらいました。
これらの処分費用を合計して、1万5,000円程度かかりました。
不用品回収業者に依頼すると、もっと費用がかるので、安く済んだと思います!
カーテン費用
注文住宅では、カーテンは標準仕様に含まれていないことが一般的です。
なんで?
家具と同じ扱いだからです!
カーテンレールは壁に取り付けられているため、カーテンも建物の一部と思いがちですが、位置付け的は家具と同じです。
そのため、建物の標準仕様に家具が含まれていないのと同じように、カーテンも標準仕様に含まれないのです。
カーテンを取り付けようとする場合、以下のパターンで取り付けることになります。
- ハウスメーカーにオプションとして依頼する
- 自分でカーテン業者を探して依頼する
- 自分でカーテンレールとカーテンを買ってきて取り付ける(DIY)
費用としては、ハウスメーカーのオプションが一番高く、自分でDIYするのが一番安く済みます。
ハウスメーカーのオプションとして依頼する場合、住宅ローンに含めることができますが、自分で探す場合は住宅ローンに含めることはできず、現金での支払いが必要となります。
我が家はカーテン業者(ニトリ)に依頼をしました。
カーテンの取り付けをハウスメーカーに依頼しない場合、取り付けまでのスケジュールをしっかり確認しないと、引っ越し当日にカーテンがない!という事態に陥りますので、注意が必要です。
我が家はしばらくカーテン無しの生活になってしまいました…
ニトリにカーテンを依頼して取り付けてもらった費用は、カーテン代・カーテンレール代・ロールスクリーン代。作業費用等合わせて250,266円でした。
お値段以上のニトリでもこの値段ですから、カーテン代もバカになりません。
工事の儀式等にかかる費用
建物の工事に際して、以下のように、いくつかの儀式を執り行うことが多いです。
- 地鎮祭:着工時
- 上棟式:上棟時
- 竣工式:完成時
また、工事中に差し入れをする場合、その費用もかかります。
地鎮祭は、工事の安全祈願や、その土地の氏神様への挨拶が目的です。
神式の儀式であり、必ず行わなければいけないものではありません。
大抵、ハウスメーカーの担当者が行うかどうかを聞いてきます。
我が家の場合、初めての土地でもあったので、やっておいた方がいいかな、と考えて地鎮祭のみ行うことにしました。
地鎮祭にかかる費用は、一般的に以下の通りです。
- 初穂料・玉串料:3万円程度
- お供物:1万円程度
- 近所への粗品:1個あたり1,000円程度
- 神主へのお車代:1万円程度
初穂料については、地域差やお願いする神社によって大きく異なります。
その他の費用についても、いくらかかるのかは事前にハウスメーカーの担当者に確認することをオススメします。
我が家の場合、ハウスメーカーの担当者が手配等全てやってくれて、支払った費用も初穂料の3万円のみでした。
我が家は分譲地で周りも更地だったので、地鎮祭の段階ではご近所への挨拶もありませんでした。
上棟式は、工事の安全と、職人さん達への感謝を表すことが目的です。
近年では行う人は少数派のようです。
我が家も上棟式は行いませんでしたが、特に問題ありませんでした。
上棟式を行う場合、上棟式にかかる費用は一般的に以下の通りです。
- 職人さん達へのご祝儀:1人あたり5,000円〜3万円程度
- お供物:1万円程度
- 仕出し弁当:2,000円程度の物×人数分
- 餅投げ:2万円程度
竣工式とは、建物の完成を神様に報告し、今後の繁栄を願うことが目的です。
商業用のビルなどの場合、竣工式を執り行うことが多いですが、注文住宅で竣工式を行う人はほとんどいないようです。
我が家も竣工式は行いませんでした。
竣工式を行う場合、竣工式にかかる費用は一般的に以下の通りです。
- 初穂料・玉串料:3万円程度
- 関係者へのご祝儀:5,000円程度×人数分
- 引き出物:1,000円程度×人数分
- 宴会代:3万円程度
工事の儀式とは別に、職人さんへの差し入れをする場合、差し入れの購入費用がかかります。
差し入れって普通はするの?
そこは完全に個人の自由ですが、僕は工事現場の見学のついでに、毎回差し入れしてました!
我が家の場合、工事現場には3週間に1回程度足を運びました。
僕個人で行くこともあれば、家族で見に行くこともありましたが、毎回差し入れは準備しました。
差し入れで購入したものは、以下のようなものです。
- 個包装になっている大袋のお菓子(歌舞伎揚とか)
- 500mlのペットボトル飲料
- ちょっと高級なお菓子
工事中は小腹が空くだろうと思い、基本的にはお菓子と飲み物を差し入れました。
職場で同僚にお菓子を配るような感覚で、個包装のもので、チョコなどの手が汚れそうなものは避けました。
工事は9月〜11月で、暑い日も寒い日もあったので、その日の気温に合わせて冷たい飲み物か、温かい飲み物を持って行きました。
個数については、一度工事現場に行って、その時の職人さんの人数を確認してから、近くのスーパーに買いに行っていました。
差し入れにかかった費用は全部で5,000円程度でしたが、見学する頻度や差し入れをするかどうかで変動します。
職人さんも仕事で工事をしていますが、ちょっとでも気持ちよく作業してもらった方がいい家にしてくれるかなと思い、差し入れしていました。
以上が、注文住宅で必要な現金支払いについてでした。
新築注文住宅でかかる費用の全額をローンで支払うことができない理由
フルローンの場合、かかった費用の全額を借り入れることができるんでしょ?
なんでわざわざ現金で支払う必要があるの?
住宅ローンは借主が好きなタイミングで使えるお金ではないからです!
住宅購入をする場合、多くの方が住宅ローンを組みますが、全ての費用を借り入れることはできません。
住宅ローンを利用するにもかかわらず、現金での支払いも必要となるのは、住宅ローンが以下の性質を持っているからです。
用途が限定されている
住宅ローンは、土地の購入費用や住宅の建築費用を借り入れることのできるサービスです。
逆に言えば、それ以外には使うことができない、ということです。
そうはいっても、一度お金を貸しちゃったら、それをどう使うかなんて管理できなくない?
そうならないために、銀行が融資をするタイミングや金額が決まっています。
借入金の振り込みタイミングが決まっている
住宅ローンを契約した場合、借入金が借主の銀行口座に振り込まれるのは、住宅の引き渡し日になります。
借主は住宅の引き渡し日に、住宅の建築費用の残額を支払うことになりますので、建築費用の支払いに使うしかないのです。
住宅の引き渡し日まで住宅ローンで組んだお金が振り込まれないんだったら、土地の購入費用とかどうするの?
「土地先行融資」や「つなぎ融資」、「分割融資」が活用できます。
土地を先に購入する場合、土地と建物の費用を分けて融資が受けられる「土地先行融資」が活用できます。
また、建築費用も複数回に分けて支払うことになりますので、その都度融資してもらえる「つなぎ融資」、「分割融資」が活用できます。
「つなぎ融資」は、メインの住宅ローンとは別に契約するローンのことで、「分割融資」は、メインの住宅ローンを分割して実行していくことを指します。
それぞれの融資の特徴をまとめると、以下の通りです。
融資の種類 | 金利 | 諸費用 印紙代・融資手数料など | 抵当権 設定 | 住宅ローン 控除 ※条件あり | 主な取り扱い金融機関 |
---|---|---|---|---|---|
土地先行 融資 | 低い | 2回分 | いる | 利用できる | ・三井住友銀行 ・イオン銀行 |
つなぎ融資 | 高い | 2回分 | いらない | 利用できない | ・アプラス ・楽天銀行 ・ARUHI(フラット35) ・イオン銀行 |
分割融資 | 低い | 1回分 | いる | 利用できる | ・みずほ銀行 ・住信SBIネット銀行(2回のみ) ・地方銀行 |
住宅ローン控除については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【住宅取得の対価の額とは?】住宅ローン控除で実際に控除される金額を解説上記の融資を活用し、土地購入費用や建築費用を支払います。
じゃあフルローンで諸費用とかも全部借り入れた場合、そのお金はいつ融資してもらえるの?
諸費用を含めた最終的な融資は、住宅の引き渡し日です。
住宅ローンの融資は、基本的に住宅の引き渡し日に実行されます。
それを補うために土地先行融資やつなぎ融資、分割融資などのサービスがありますが、いずれも諸費用や物品の購入費用を支払うための融資ではありません。
そのため、諸費用や住宅ローンの融資に該当しない物品等の購入費用などは、現金で用意して、自分たちで支払う必要があるのです。
フルローンの場合も同様で、融資日が住宅の引き渡し日である以上、その前に発生する支払いは自分で行い、最後に支払った現金のうち、諸費用分が融資されて戻ってくる形になりますので、事前に現金の準備は必要です。
新築注文住宅を建てる時に実際にかかった費用
現金が必要なのはわかったけど、実際どれくらい支払うものなの?
我が家の事例で解説します!
我が家が注文住宅を建てた時に支払った総額および現金で支払った金額は、以下の通りです。
費用項目 | 総支払い額 | うち現金 |
---|---|---|
建物本体工事 | 25,807,760円 | 511,000円 |
カーテン関連 | 250,266円 | 250,266円 |
アンテナ関連 | 40,000円 | 40,000円 |
土地の購入・造成 | 36,113,459円 | 2,255,909円 |
工事の儀式等 | 35,000円 | 35,000円 |
外構工事 | 1,811,639円 | 111,639円 |
土地や建物の登記 | 933,802円 | 0円 |
住宅ローン関連 | 1,749,757円 | 0円 |
住宅についての申請 | 350,020円 | 0円 |
火災保険・地震保険 | 472,740円 | 472,740円 |
引越し | 87,480円 | 87,480円 |
家具の新調 | 556,506円 | 556,506円 |
古い家具の処分 | 15,000円 | 15,000円 |
総額 | 68,223,429円 | 4,335,540円 |
我が家が注文住宅で支払った総額については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【桧家住宅】新築注文住宅で実際にかかった総額と費用の内訳を公開!400万円以上も現金で支払ってるってことか…!?
そうなんです。
我が家は6,700万フルローンで借り入れましたが、これだけ現金が必要でした。
我が家の場合、登記費用や住宅ローン関連費用は、住宅ローンに含めることができ、かつ分割融資で柔軟に対応してもらえたため、現金での支払いはありませんでした。
しかし、その他の解説してきた費用については、都度現金で支払いました。
現金にある程度余裕があったので対応できましたが、そうでなければ大変だったと思います。
まとめ:注文住宅に必要な現金を理解し、余裕のある資金計画を立てよう!
注文住宅で必要な現金について解説しました。
現金で準備する必要のある費用は、以下の通りです。
項目 | 金額 | 現金支払い |
---|---|---|
手付金 (契約金) | ・土地:購入代金の5%〜10%程度 ・建物:契約代金の5%〜10%程度 | 必ず |
収入印紙代 | ・土地契約時:1万円〜6万円 ・建物契約時:1万円〜6万円 ・建物追加工事契約時:1万円〜6万円 ・住宅ローンの契約時:1万円〜6万円 | 必ず |
仲介手数料 (土地) | ・土地価格×3%+6万円+消費税10%(上限) | ほぼ必ず |
住宅ローン契約費用 | ・ローン事務手数料:3万円〜借入額の2.2%程度 ・保証料:借入額による ・保証会社利用手数料:3万円程度 ・振込手数料:全部で5千円程度 | 場合によって |
登記費用 | ・所有権移転登記:課税標準額×2.0% ・建物所有権保存登記:課税標準額×0.4% ・抵当権設定登記:1,500円 ・建物抵当権設定登記:融資金額×0.4% ・その他登記 ・行政書士や土地家屋調査士への報酬等 | 場合によって |
税金 | ・不動産取得税 ・その年の固定資産税 ・その年の都市計画税 | 必ず |
火災保険・地震保険料 | 5年契約で40万円〜50万円程度 | 場合によって |
引越し費用 | 10万円〜20万円程度 | 必ず |
家具の購入・処分費用 | 0円〜100万円程度 | 必ず |
カーテン費用 | 30万円〜100万円程度 | 場合によって |
工事の儀式等にかかる費用 | ・地鎮祭:5万円程度 ・上棟式:10万円程度 ・竣工式:10万円程度 ・差し入れ代 | 必ず |
住宅ローンを組む金融機関によっては、現金で用意する必要のない費用もありますが、基本的には、ある程度の現金を用意しておくことが必要になります。
金融機関がどの程度住宅ローンに含めてくれるのか、住宅ローンに含めることのできない費用をどう準備するのか、しっかり確認と計画を立てることが重要です。
注文住宅はとても大きな買い物です。
多くの方は完成から長い期間、ローンの返済が待ち受けています。
住み始めてからのお金事情で後悔しないよう、予算や返済計画などのお金の見通しをしっかり持つことが大切です。
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
最後まで読みいただき、ありがとうございました。